寄り道

人生も、旅も、
寄り道をするのが好きなんだと思います。

寄り道をしていると、
そんな自分に余裕を感じるような気がします。

あっちに行こうか、こっちに行こうかと
迷う時間があって、
えいっと思ったほうに進んでみて、
何かを発見するのが楽しいのかもしれません。

……

大学を卒業して、ぷらぷらと日雇いのような生活を送っている中で、いろいろと気付くことがあります。

格好よく思われもしないし、誰からも憧れられもしないような生活をしていると思います。

……

自分の年齢の半分もいかないような子どもから、
「こんなところで、こんなことしてていいの?」
「もっと、活躍できる場があるでしょ」
「もっと、いい環境に身を置くことができるんだから、そうしなよ。もったいない」

友人から、
「自分が輝けるところで働きなよ」
と言われました。

……

無職になるのが怖くて、逃げ道が塞がれたまま、ブラック企業や、自分に合わない組織に身を置き続けるようになってしまうことを避けたくて、フリーターになっても生活していけるかどうかを試してみました。


結果としては、それなりに最低限の生活は送れそうな気がしました。金銭的には。


ただ、お金を稼ぐために、自分の時間を安く売ってるなぁ…と思いながら過ごすのは、なるべく避けたいなぁと思いました。

あと、大事なことに気が付きました。

たぶん私は、合わないと思った組織に身を置き続けることはないんじゃないかなと思いました。

ステータスに対するこだわりがそんなにないので、幻想によって逃げ道が塞がれるということは、あまり心配しなくていい気がしました。


……

 

私は、それをすることを避けたがるような人もいることを、身をもって体験してみるのが好きなのかもしれません。


苦境から、自分が脱出しやすいような環境づくりや、脱出するための技術を養成することに興味があるのかもしれません。


苦境に身を置いて、環境に影響されて、「私はダメ人間だから、こんなんが『当たり前』でいいよ」と思うのか、
「こんな『当たり前』に身を置いているのが異常なことなんよ」と思って、当たり前を変えていくことに精を出すのか。


……

変えていきたい『当たり前』は何か。
残したい『当たり前』は何か。

それがよく分からない私は、
いろいろ体験したほうがいいんだと思います。

……

ただ時間が過ぎていくのを感じる生活をしていたら、現実の世界と妄想の世界のことが区別できるようになってきました。

現実的に考えることが、以前よりもできるようになってきた気がします。

 

……

 

山の中で迷子になったら、正規のルートに戻れるように、とにかく山を登れと言われます。

 

何事も体験だと思って過ごしているうちに、人生の迷子になってしまっている気もする私は、とにかく山を登るように歩いていかねばならないような気がします。